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耐震診断の結果でる


 耐震診断の結果が出た。0.88だった。思っていたよりも、かな~り良い数字だった。
 耐震診断は1.5以上だと「安全です」。1.0以上1.5未満だと「一応安全です」。0.7以上1.0未満だと「やや危険です」。0.7未満だと「倒壊の危険があります」、となる。我が家はめでたく、「やや危険です」の評価となったわけだ。
 「やや危険です」で、喜んでるなんて、馬鹿な奴と思われるだろう。たしかに僕は馬鹿ではあるが、それなりに理由はある。
 まず第一に、自分の予想だと、「倒壊の危険があります」の範囲に入るだろうと思っていたのだが、それを免れたことだ。我が家は何度も書くようだが、築40年超の古屋である。昭和何年だかの、耐震基準設置年よりも前に建てられていて、構造上不利な作りになっている。
 第二には、鑑定士にとても褒められたことだ。まず元からの作りが良いそうだ。我が家はツーバイフォーではないが、それに準じる作りになっている。さらに在来工法と同様に柱がある。現在のツーバイフォーには柱がないそうである。つまり我が家はツーバイフォーと在来工法の良いとこ取りをしているのだそうだ。「中古で買った」と言ったら、「とてもよい買い物をされたと思います」、と答えてくれた。
 さらにメンテナンスが素晴らしいと褒められた。「これだけ大事に家を使っている人はいませんよ」だそうだ。嬉しいではないか。毎月3万円ずつ修繕積立をして、こつこつと修理を重ねてきた甲斐があった。
 鑑定士は密かに言ってくれた。「正直に申し上げ、このぐらい程度が良ければ、無理をして耐震工事はしなくてもよいと思います」。とても正直な鑑定士さんである。工事となれば、鑑定士には工事監理費が入るのに。
 しかし、ありがたい言葉ではあるが、工事は実施しようと思っている。その工事の見積もりも出たのだが、想像していたよりも安かった。予算の範囲内である。
 工事はこの鑑定士が所属する工務店に頼むこともできる。あるいは他の工務店に相見積もりを取ることもできる。僕は事前に、相見積もりを取ることを伝えておいた。鑑定士は当然のように、快諾してくれた。
 
 耐震工事を行う際に、一緒にリビングのリフォームも考えている。床を無垢材のフローリングに張り替え、壁は珪藻土を塗ろうと思っている。この工事はいつもの安田工務店にお願いするつもりだ。
 そこで鑑定士にリフォームについて、ひとつ相談を試みた。無垢の床材についてだが、安田が持ってきたサンプルがあまりよくない。安田は小さな工務店なので、ルートが少ないようだ。
 先日、妻と横浜にあるショールームで床材を見てきた。ふたりが気に入ったのは、ウォールナットという素材だ。日本語で言えば、クルミである。よくヨーロッパの家具やピアノの素材に使われる、黒系の渋い色味で、非常に硬質で傷が付きにくい高級材だ。
 安田が提示したウォールナットはフッ素樹脂コーティングがされている。しかし僕らは無塗装を好む。コーティングされたものは、汚れや傷に強いのだが、表面がてかてかしていて、合板と風味は変わらない。せっかく無垢にするのだから、無塗装がよい。完全な無塗装だと、水をこぼしただけで、シミになってしまうので、オイル塗装だけはするつもりだが。
 鑑定士にこのことを聞いてみた。するとネットで買うと良い、ということを教えてくれた。その工務店では、ちょっと変わった素材はネットで購入しているそうだ。それが一番安いのだそうだ。
 ためしに教わったサイトを確認したところ、たしかに安い。安田が持ってきたフッ素コーティングよりも、かなり安いのだ。安田のものも、他社と比べると安いのではあるが。

 安田に電話で、ネットで購入してくれないかと頼んだら、快諾してくれた。それも手数料なしで。
 鑑定士は自分の儲けにならないにも拘わらず、色々と相談に乗ってくれた。ライバル社の売上に繋がるような情報も与えてくれた。安田は相変わらずの、商売度外視で、ネットで材料を購入することを快諾した。
 本当にこの辺りの職人たちは、無欲である。そして頼りになる。

 ちなみに耐震工事を済ませると、基準値は1.24まで上がる。新築と変わらない基準だそうだ。
 鑑定士によれば、今のまま大事に使えば、この築40年超の家に、一生住めるということだ。
 

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人は外見で判断する


 先週の金曜日は都内に出た。3件ばかりの用事があり、なかなか忙しい日だった。
 まずは新聞社時代の先輩に会い、昼食をごちそうになる。新橋にある鯛めしが有名な料理屋に入る。ここの鯛めしは通常のとは違っていて、鯛を炊き込んだものではない。特性ゴマダレに漬け込んだ鯛の刺身をご飯に乗せて食べるのだ。鯛は豪勢にも一枚が厚い。こりこりとした歯ごたえを楽しめる。ご飯と一緒に口に入れると、ゴマダレと鯛のうま味がミックスして、口いっぱいに広がる。大変に美味であった。
 来たときはすぐに入れたが、出たときには、外に行列ができていた。

 続いて某会社へ。こことは現在、ある米大手紙の翻訳の企画を進めている。企画が通るかどうかは未定だが、決まれば長期で仕事を請け負うことができる。決まると、とても嬉しい。生活が安定する。
 さらに自分から、ひとつ企画を売り込む。これは翻訳ではなく、コラムのようなものだ。最近、日本語のオリジナル文章の仕事にも手を広げたいと模索している。そこで企画を持ち込みながら、相談をしたわけだ。先方の社長さんは、興味をもって話を聞いてくれた。これも決まると良いのだが。生活はさらに安定するだろう。

 最後の案件は九段であった。その時まで新橋にいたのだが、時間があるので歩いて行くことにする。
 日比谷公園を抜けようと思い、歩いているとすごい人だかりだ。ドイツフェアのようなものをやっていた。まだ時間は5時前だというのに、数百人のサラリーマンやOLがドイツビールをぐびぐびやっていた。なんだかものすごく楽しげな光景だ。次に仕事が入っていなかったらば、確実に参加して飲んでいただろう。
 でもひとりだと、寂しい思いをするかもしれない。これが本場のドイツならば、きっと他の客と仲良くなったりして、ひとりでも楽しめるだろうが。日本人はシャイだからな。と、自分自身に言い訳をしながら、その場を未練たらたらで、通り過ぎる。

 しばらく行くとパークホテルがある。以前は勤め先の近くにあったので、よくランチを食べにいった。最近、建て替えたのだが、新しいビルになってからは入ったことがない。ちょうど尿意を催したこともあり、入ってみることにする。
 車寄せがある正面玄関から入ることにする。僕がてくてく歩いて行くと、ドアマンが遠くからこちらを見ているのが分かる。その日の僕の恰好は、膝に穴のあいたボロボロのジーンズにTシャツ。くせっ毛でぼさぼさの薄毛長髪に、髭ぼーぼーというスタイルだ。あまり高級ホテルにふさわしい外見ではない。路上系の関係者に見えなくもない。
 まさにドアを通り抜け、ホテルに入ろうとしたところ、さっきから僕を凝視していたホテルマンが脱兎のごとく、駆け寄ってきた。そして、言った。
 「今日はどちらまで?」
 ちょっと引きつった笑顔で聞いてきた。先ほどからの視線で、予期していたでき事だったので、余裕をかまして、「久しぶりだったんで、ちょっと中の様子を見たいと思って」、と答えた。
 しかし、ドアマンの緊張はほどけない。ホテルの中に入っても、ずっと横に付いてくる。こんなドアマンを引き連れて歩いている人間なぞ、僕以外には見当たらない。ただでさえ、目立つ風貌なのに、余計人の目を引いてしまう。遠くからも僕らを見ている人が何人もいる。
 それに、僕としては、まずはトイレに入りたい。しかしドアマンを引き連れて、トイレに入りたくはない。男はトイレには、たったひとりで立ち入るものなのだ。そこで秘密兵器を持ち出すことにした。
 「このホテルには以前、“アイビー・ハウス”っていう店があったけど、今も入っているの?」、と聞いた。するとドアマンの表情が、瞬時に柔らかくなった。
 「あの、カレーのお店ですか」
 「うん」
 「いえ、残念なのですが、撤退してしまったようです」
 「新しいビルには入らなかったんだ」
 「はい。お客様は古いビルのときに、いらっしゃってたんですか」
 「そうだよ。よくランチで来たよ。あのカレー、うまかったな。あなたはいつからいるの」
 「私は新しいビルができてからの入社です。ですので、アイビー・ハウスのことはお客様から教えていただきました」
 そんな感じて、ドアマンの態度は豹変した。どうやら路上系関係者の疑惑は解けたようだ。その後、ドアマンは僕の元を離れ、僕は安心してトイレに向かうことができた次第である。しかし、さらにこの話には続きがある。
 また正面玄関から出るのもつまらないので、少し離れた玄関から出ることにした。その別の玄関から出ようとしたところ、どういう訳かさっきのドアマンがちょっと離れたところに立っていた。軽く会釈をすると、ドアマンは走って飛んできた。
 「いかがでしたか」
 「うん、正直言って、僕は古いビルの方が好きかな。もちろん、ここもいいよ。綺麗になったし」。
 それから1,2分立ち話をした。彼はまるで以前からの知り合いのように、気さくに話をした。

 最後は九段の某翻訳会社へ行った。まずは実務系の翻訳の話をした。ここは出版社も兼ねており、出版の企画も2件ほども提案した。両案とも感触は悪くはなかった。
 仕事の話が終わると、社長さんが夕食に誘ってくれた。近くにある富山料理の割烹に僕らは向かった。ここではハタの刺身や、○○エビ(名前は忘れた)など、富山の名産物に舌鼓を打った。日本酒も豊饒な味わいであった。

 うまいものばかりを食べさせていただき、仕事の話も進んだ、良い日であった。
 

甥っ子の春


 甥っ子のスイス行きが正式に決まった。一昨日、チューリッヒ工科大(ETH)からアクセプトのメールが届いた。今までもおそらく大丈夫だろうと、甥っ子の通う大学の事務員は言っていたようだが、これで安心だ。
 ところが良いことは続かない。チューリッヒは世界一物価が高い都市だそうだ。円安の影響もある。例えば安めの中華料理屋で焼きそばを食べても2000円ぐらいするそうだ。甥っ子は奨学金だけで生活している苦学生だ。今の奨学金だけでは、チューリッヒでは焼きそばも食べられない。
 そこで彼の通う大学の交換留学生用の奨学金に申し込んでいた。そうしたら、昨日、事務局から連絡があった。「以下の資料を明日までにお持ちください。直前ですが、よろしくお願いします」、だと。
 しかし大学の事務局というのは、なんて杜撰な、あるいは勝手な、あるいはやる気のない、あるいは利用者の利便性を無視した運営を行っているのだろう。これが会社ならば、組合に提訴されるような不誠実な対応である。
 翌日までに用意しなくてはならない資料には、教授の推薦状や大学の成績証明書が含まれる。すぐに手に入るものではない。運よくというか、甥っ子は、こんな結果を予期して、教授からの推薦状は事前に用意してあった。成績証明書は授業をさぼって、事務局に泣きつき、至急に作成してもらった。そしてなんとか今日、出すことができるそうだ。まずはやれやれ、だが。事務局の対応には腹が立つ。
 事務局にとっては、日々の退屈な作業のひとつに過ぎないのだろう。しかし甥っ子にとっては、死活問題だ。もし奨学金が取れないとすると、留学生活は学問というよりも、ただただ貧困との戦いに終わってしまうだろう。せっかくスイスまででかけて、寮と大学の往復だけでは、あまりに不憫である。せめてアルプスは登りたいだろう。ヨーロッパは陸続きだから、隣国は隣県と同じ感覚だ。イタリアやフランス、ドイツは電車で1,2時間で行けてしまうのだ。きっとそれらの国々も回りたいだろう。たまにはパーティーにも参加したいだろう。
 まあ、奨学金の申請は、提出したというだけで、結果は分からない。その奨学金は学部から1,2名程度の狭き門だそうだ。採用されない可能性は大きい。他にも奨学金は申請している。どこかには引っかかってもらわないと。
 甥っ子は8月末から留学する予定だ。来年の春には、伯父さんも、つまり僕のことだが、遊びに行こうと予定している。スイスは初めてだ。伯父さんも、今から楽しみである。

 これを書くと、甥っ子に叱られると思うが。しかし甥っ子は伯父さんのブログの存在は知らない。僕は本名を露出しているというのに、さらにはこのURLがフッターに記載されたメールを送ってしまったこともあるのに、甥っ子は知らない。なので大丈夫だと思うので、書いてしまおう。
 甥っ子がデートの誘いを受けたそうだ。この“受けた”というところが、ひ弱で、弱々しく情けない。でも初めてのことだそうで、とても喜んでいる。伯父さんも、関係ないのに、なぜだかとてもウキウキしている。
 デートを誘ってくれたのは、カナダから日本の学生に英語を教えにきたALTだそうだ。ちょっと年上のかわい子ちゃんだそうだ。大学のパーティーで知り合ったそうだ。誘いのメールも見せてくれたが、かなり直接的に、デートを誘っている。最近のパツキンねえちゃんは、やるのぉー。

 甥っ子にいきなり春がやってきた。伯父さんは人生の秋を迎えているが、小春日和のような明るさを、甥っ子からもらった気がする。

 と、書いていたら。うわぁー、すごい雨が降ってきた。今日は天気予報を信じて、寝具周りを干してある。取り込まなくちゃ。
 

風邪をひいた


 風邪をひいてしまった。昨日はあまりの調子の悪さに、ベッドからまったく抜け出せずに一日過ごした。熱は38度前後。それでもどういう訳か眠れない。子供の頃は風邪をひいて一日寝ていることが好きだった。中年になると、そんな楽しみも与えられないらしい。ただただ気持ち悪い、苦しいの一日だった。
 このままだったら夜も眠れないのではと思い、睡眠薬を取った。早く眠るつもりで、6時に飲んだ。それでも眠りについたのは、8時を過ぎていた。
 いつも通り4時半に目覚めるつもりでいた。早く寝たのもそのためだ。かみさんのご飯の支度をしなくてはならない。
 起きるとかみさんが、「今日は寝てて」という。病気で弱っているときに、こういう優しい言葉を聞かせれると弱い。「うん」、なんて、言って布団を頭からかぶった。子供の時分に返ったような、ちょっと甘えた気分になってしまった。
 そういえば、かみさんがこの間、風邪をひいたときは、果たして俺は優しくできただろうか。結構、冷たかったんじゃないだろうか。

 たまに風邪をひくのもよいものである。僕はあまり風邪をひかない。普段なら、3年に一度程度だ。だから風邪をひいた人の気持を忘れてしまいがちだ。風邪って、うんと気持ちの悪いものだ。むかむかするし、喉と頭は痛いし、息苦しいし。
 
 次にかみさんが風邪をひいたときは、いつもより優しくでできるに違いない。
 

鯉と鮒


 株価を見ようと、産経Webの経済面を見たらフジテレビの人事が発表されていた。少しの間だが出向していた会社なので興味が湧き、覗いてみた。社長が変わったようだ。新社長は亀山千広氏だ。以前から噂されていたことだが、やはり目にすると驚きを禁じ得ない。
 なぜかと言うと、彼のことをほんの少しだけだが知っているからだ。あの人が社長になったのか。そうだろうな、というのが感想である。

 彼と会ったのは、僕が20代後半の頃だ。彼は30代の前半だったと思う。ある会議で同席したのだ。その会議には産経の副社長が議長を務め、フジサンケイグループ各社の若手が集められていた。当時流行っていたCIについての会議だった。産経新聞社のイメージ作りに各社若手の知恵を借りることが目的だった。副社長は各社に最優秀の若手を寄越すように要請していた。そこでフジから来たのが亀山氏だった。
 とにかく雰囲気のある男だった。初対面の人間ばかりの会議だったが、まったく物怖じをしない。ただ座っているだけで、カッコいい。余裕があるのだ。物腰が柔らかいが、眼光は鋭い。僕よりも少し年上だが、年齢以上に自分との差を感じた。
 話すとさらに差は広がった。今でも思うのだが、あれだけシャープな発言をできる男は他では見たことがない。彼が話したのは、ほんの5分程度だったと思う。会議には20人ぐらいが集められていた。20年以上前のことだ。それでも覚えているのだ。彼のことだけは。それだけ印象深かったというわけだ。
 僕がこうして、ぐうたら主婦生活を送っているのに、彼は少し貢献していると思う。あの会議で悟ったのだ。地力の差がある人が存在するということを。その差は、広がることがあっても縮まることはないと。
 産経からの代表は僕だった。しかしこれは僕が優秀だったからではない。単に副社長と仲が良かったからだ。ある仕事で一緒になり、それ以来、たまに昼飯をごちそうになったりして、可愛がってもらっていた。ちょっと気難しい副社長に、ただ近づく若手がいなかったからだと思う。副社長にとって、呼びやすい若手が僕だけだったという話だ。
 そんな実力のない僕の発言は散々だった。自分の会社のことなのに、大した意見が出てこない。口から出るのは冴えない言い訳のようなアイディアばかりだ。態度もおどおどしている。それに比べて、いきなり振られた話題に亀山氏は的確に回答した。周りの誰もを、う~んと唸らせるような、要所を押さえた回答をだ。
 ああいう人をエリートというのだなと感じた。そして会社という職場は、こういう人のためにあるのだな、と思った。今は若いし、実力の差もそれほど大きくない。でも暫くすれば、差は歴然となる。そうなったら、居づらくなるだろうな、と寂しい自分の将来がおぼろげに見えた。
 そしてその通りになった。僕はまったく会社に最後までなじめずに終わった。一方、彼は実力をフルに発揮した。周りの期待にきちんと応えた。昇進を重ねた。そしてついに社長まで上り詰めた。
 三つ子の魂というけれど、若手の社員を見ると、ある程度、その人の将来が見える。鯉は幼魚のときから鮒とは違うのだ。
 亀山氏は滝を登り切ったのだ。滝の上は鮒である僕にはどんな場所なのか分からない。きっと良い場所なんだろう。
 でもやっぱりこっちの方が、僕には性に合っている。下流の澱みでのんびりまどろみながら、そんなことを思った次第である。
 

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赤毛の女の子


 今日は午前中に散歩をした。25度を超える夏日だとかで、良い天気だった。
 いつも通り幼稚園の横を通った。赤毛の女の子が見えた。外国人かハーフのように見える。可愛い子だ。近くを通り過ぎるときは、反対方向の民家に目をやった。へんなオジサンが見ていると先生に思われたくないからだ。気を使っているのだ。
 まさに横を通り過ぎる時、可愛い声がした。
 「こんにちは」
 あの女の子が挨拶をしてくれたのだ。いくら先生の目が気になるとはいえ、少女の挨拶を無視するわけにはいかない。近づいて行くと満面の笑顔で迎えてくれた。
 「こんにちは」。僕の声に、さらに少女には笑顔が広がる。
 何か話そう。でも何を話したらいいのだろうか。そこでとっさに思いついたことを尋ねた。
 「お名前は何ていうの」。いきなり名前を聞くのもおかしな話かもしれない。と、言った直後に思った。だが赤毛の女の子は意に反さずに、答えた。
 「○○○ちゃん」。自分の名前に“ちゃん”を付けてる。かわいい~。
 日本語の名前だった。なんでいきなり名前を聞いたかというと、日本の名前か外国の名前か興味があったからだ。「ステファニー」なんて答えるかもしれないな、と思って。
 「そう、○○○ちゃんていうんだ。いいお名前だね」
 「うん」
 会話はそれだけだ。本当はもっともっと話をしたかった。でもどうしても、先生や近所の目が気になる。まったく嫌な世の中だ。小さな赤毛の女の子とお話をするのに、周りの目が気になるなんて。
 それとも僕が意識し過ぎているのだろうか。そうかもしれない。でも変な目で、やっぱり見られたくない。毎日の散歩コースだ。リスクは取りたくないのだ。
 「バイバイ」と、手を振った。
 「バイバイ」と、言って女の子は手を振り返した。
 女の子の元を立ち去るとき、辺りを見回すと、誰も僕らのことなど見る人はいなかった。もうちょっと、お話ししておけば良かった。もうないだろうな、こんなチャンスは。
 

豪邸に住もう


 日曜にかみさんと横浜へ行ってきた。今度、耐震補強をするついでにリフォームもしようかと思っている。リビングの床は絨毯張りなのだが、ワインのシミなどで汚れていて、何とかしなくてはと思っていた。これを機会にフローリングに張り替えようかと考えたのだ。やるなら良いものにしたい。一般の合板でなく無垢でいきたい。それで横浜にある住宅展示場を見てきた。
 ミサワホームの子会社であるホーミングという会社が運営する、リフォーム専用のショールームを見てきた。そこには数十種類の床板が展示されている。数が多いと、かえって混乱する。これがいい、とは決められなかったが、おおよその我々の好みは見えてきた。
 スギやヒノキのような針葉樹よりも、チークやチェリー、ナラなどの広葉樹が良い。硬いので、傷や汚れが付きにくい。色は白っぽいものよりも、ダーク系が好みだ。
 
 その住宅展示場には、他にも沢山のメーカーがモデル住宅を展示している。ホーミングの近くに東急系列のメーカーの家があった。ニューイングランドスタイルの家だ。僕は以前、アメリカのバーモント州にいたことがあるので、ニューイングランドスタイルには馴染みがある。そこで覗いてみることにした。
 もの凄い豪邸だった。建物の総面積は約230㎡。うちの2倍以上だ。このぐらいあると、ニューイングランドスタイルも様になる。
 見に来ている客は我々だけだったので、ぴったりと営業マンが付いて回った。ちらりほらりと、こちらの様子を覗ってくる。
 「今はどういった所にお住まいなんですか」。僕はちょっと悪ふざけを思いついた。
 「ちょっとここに似てるかもしれないね。少し小さいけど」、かみさんに振ると、彼女もちゃんと分かっている。
 「ええ、キッチンなんか、ちょっとね。ほほほ」。なんて20畳以上あるキッチンを見ながら、返した。うちのは3畳ぐらいしか、ないんだけど。
 たっぷり一時間は遊んだかな。最後は本気で大金持ちになったような気持ちになってきた。

 昨日、相撲を見ていたら、砂被りにホリエモンがいるのに気が付いた。横には西原理恵子が座っていた。
 彼らの席は第一列目である。隣の隣には元寺尾が審判として座っている。最上の席だ。
 あの場所って、どういう人が座るのだろうと思っていたが、ホリエモンのような人が座る場所だったのだ。ホリエモンは刑期を終えたばかりのムショ帰りだが、きっと未だ大金持ちだろう。西原理恵子も貧乏漫画なんかを描いているが、きっと金持ちだろう。そしてふたりとも、アンダーな世界にも人脈がありそうだ。きっと、そういう人のみが座ることができる席なのだ。

 横浜の帰り道、かみさんと、「あんな家にいつか住みたいね」と話しあった。あの家は坪90万円だそうで、70坪ぐらいあるから、建築費だけで6300万円ぐらいになる。設計費が1割かかるそうで、合計約7000万円だ。あの家を建てるとしたら、やはり200坪は欲しい。逗子や葉山の周辺で、かなりひっこんだ山の中ならば、坪15万円ぐらいで手に入るところがある。すると土地代で3000万円。合計1億円だ。
 かみさんに、「5000万円ずつ出し合って、買ってみるか」と聞いたら、「うーん」とうなり、少し本気で考えている。
 しかし山の中なら、通勤は難しいだろう。かみさんが勤めを辞めたら、家どころではない。今の生活自体がなりゆかない。それに何より、僕の方がとても5000万円なんて用意できない。今の家はまだローンが残っているし。
 だから夢に過ぎないのだが、夢を描くことは楽しい。あんな家に住んで、窓の外には森があって。そしてたまには、大相撲を見に行こう。アンダーな人脈は築きたくないし、築けないだろうから、砂被りでなくてよい。升席であれば、十分だ。
 

耐震補強の検査をした


 昨日、仕事をしていると、インターホンが鳴った。我が家のインターホンは最上機種だから、一階に駆け下りていく必要はない。余裕をかまして、仕事部屋で悠然と子機を取る。
 我が家のインターホンは最上機種だから、子機からもモニターが見える。モニターには見知らぬ男が立っていた。
 「葉山工務店です。耐震診断に来ました」
 やばい。すっかり忘れていた。ちゃんとカレンダーには記入していたのだが。まったく忘れていた。部屋が散らかったままだが、仕方がない。昨日は耐震診断を受ける日だったのだ。

 葉山工務店という逗子市が指定した業者の人が3人来た。3人でかなり丁寧に調べてくれた。上は2階の天井裏、下は一階の床下まで。こんなところが耐震に関係があるの?と思うような各部屋の壁や天井の素材などもひとつひとつ確認をした。
 2時間程度は見ただろう。これで7万円である。高いとは思えない。
 家の点検は昨日の2時間だけだが、そのデータと、こちらが用意した図面を基に分析をする。また何時間か要するだろう。人件費を考えれば、高いとは言えない。
 さらに逗子市の助成がある。一旦、7万円を現金で支払う。ここが面白いところだが、受け付けるのは現金のみだそうだ。請求書をもらって、銀行振り込みをしたいと言ったら、無理だと断られた。次回、診断結果を持ってきたときには7万円を用意しておかなくてはならない。そして7万円を支払ったら、領収書をもらう。その領収書を市に提出すると、4万円が助成される。結局は3万円の負担である。

 耐震診断は1.5点以上だと安全だとされる。満点は明示されていないが、多分2.0点だろう。1.0点以下だと、耐震工事が推奨される。1.0以下と判定されて、工事を行った場合、市はこれまた工事費の助成を行ってくれる。50万円を限度に、工事費の半分を負担してくれるのだ。
 うちはおそらく1.0を下回る。昨日の調査の人が言っていた。ただ築40年の割には、とても状態が良いとも言ってくれた。検査の間、ずっと様子を眺めて質問しながら付いて回った。一緒になって床下なんかを覗いたりした。自分で見ても、良い状態だと思った。まったく腐りはない。クラックもほぼ皆無だ。しかし構造自体が古いので、耐震基準に合致していないらしい。だからどうしても点数が低くなる。
 50万円を限度に半額の助成だから、工事に100万円かかると50万円が出る。自分の予算は満額獲得の100万円である。それだと自分で払うのは50万円だから、何とか自己負担できる。
 しかし1.0を上回る改善になる工事でなければ、助成金は出ない。だからこちらが予算を決めていて、その額内の工事だけをした場合、1.0を上回らないケースも考えられる。
 もし100万円以上かかるのならば、工事は見合わせるつもりだ。地震も怖いが、背に腹は代えられないのだ。それにかなり、家の状態は良いようだし。
 しかしできるのならば、この予算内で収めて、しっかり耐震補強をしておきたい。僕とフクちゃん、大ちゃんはほぼ終日家にいるのだから。地震が起きた場合、まず家にいるだろう。倒壊による圧死は、望ましい死に方とは思えないし。
 

我が家のインターホンは最上位機種


 インターホンを新しいのに替えた。以前のものが、実に頼りなかったからだ。ボタンを押しても呼び鈴が鳴らないことがあったのだ。
 宅急便が来ても、気づかない。ポストに不在通知が入っている。その時間にはちゃんといたのに。そんなことが何度かあった。
 でもひっぱたくと鳴るのだ。しかし宅急便の人は、そこまでしてくれない。張り紙でもしておこうかと思ったが、カッコ悪いのでよした。そこで付け替えることにした。
 今度のはすごい。まずモニターが付いている。相手の様子をこちらが先に知りえることは心強い。相手はもちろん、こちらの顔が分からない。
 不在のときにボタンを押した人がいたら、その様子は撮影される。ドロボーは不在を確認するためにインターホンを押すという。ドロボーさんがそんなことをしたら、こちらはバシッと顔写真を抑えることができるのだ。もちろん、ドロボー以外の方の顔写真もばっちりである。
 そして何より嬉しいのは子機があることだ。親機は1階に設置してある。今まではチャイムが鳴ってから、すっとんで1階まで降りていった。せっかちな人だと、インターホンにたどり着く前に、姿を消す。今度は仕事場から、悠然と子機で対応できる。勿論、相手の顔を見ながらだ。

 今回も地元の職人に頼んだ。いつもの通り電話帳で探し、最寄りの業者に電話をした。
 やはり地元の職人は良いです。インターホンのカタログを見せて欲しいというと、ちゃんと持ってきた。しかも「自分のところで買うよりも、量販店で買った方が安いですよ」、と一言加えながら。
 たしかに職人が持ってきたものは、あるメーカーの最低機種だったが2万円以上した。後からネットで調べると、同機種は9,000円で買える。そこで職人から直接買ったことを思い、最上機種を買うことにした。よって我が家のインターホンは、モニターの録画装置付き、子機付き、さらには広角レンズ付きだ。これが20,000円ちょいである。
 職人はネットで買った最上位機種を7,000円で付けてくれた。見積もりに1日。設置に1日。最後の仕上げに1日来て、この値段だ。申し訳ないので、接触の悪い室内のスイッチを2か所直してもらった。あと、台所が暗いので、電灯をつけるアダプターの工事もしてもらった。これ、全部あわせて13,000円である。3日も通って13,000円。あの人の人件費はいったいいくらなのだろう。
 翻訳料の安さには呆れることがあるが、電気技師を思えば、まあましかもしれない。だって専門性は、向こうの方が上みたいだから。
 

つばめの奇行


 今、散歩から帰ってきた。新緑がまぶしかった。今が一番、散歩に良い季節かもしれない。このゴールデンウイークには、散歩の途中に多くのハイキング客を見た。そのうち何人かには道を尋ねられ教えた。僕が近所に住むものだと知ると、羨ましがられた。僕も何だか得意な気になった。

 今日の散歩ではツバメを見た。どうも飛び方がおかしい。僕のすぐ近くを飛び回り、足元に飛び降りた。近くには水たまりがあった。しきりに水を飲み、泥を食べている。まだ幼いのだろうか。虫が捕まえられずに、泥で我慢をしているのだろうか。可愛そうに。5分も眺めていたかもしれない。その間、僕の様子をちらちらと伺いながらも、泥を啄んでいた。
 直にもう一羽が飛んできた。同じく僕の周りを飛び回り、水たまりに降りた。また泥を啄む。
 すると最初の一羽が、勢いよく飛び立った。飛んでいる姿をみると、しっかりとしている。ちゃんと飛べるじゃないか。 
 二羽目に目を移して、このちょっと変わった光景の理由が分かった。ツバメは泥を食べていたのではなかった。その子は藁のようなものを咥えていて、それに泥をこすり付けていた。巣作りだ。さきほどのツバメとつがいのようだ。
 僕が巣作りの材料の採取地の近くに立っていたので、警戒してぐるぐる回り、それでも立ち退かないので、仕方なく恐々泥を採取していたのだ。
 それに気付いて、すぐにそこを後にした。

 ゴールデンウイークのある日、妻と自転車で葉山のシナそば屋に出かけた。葉山マリーナの近くになる「小浜」だ。前を通るたびに気になっていた店だ。店の前には2台分の駐車場があるが、常に車が停めてある。どうしても入りたくて、今回は自転車で向かったわけだ。
 良い店だった。老夫妻らしきふたりが店を切り盛りしていた。とても清潔で好感が持てる。
 二人でラーメンと餃子、ビールを頼んだ。味は魚介系のシンプルなしょうゆ味だ。最近、こってり系が多いからかもしれない。新鮮で美味だと感じた。最近の記憶では、ナンバーワンの味ではなかろうか。餃子もあっさり味で、これも良かった。

 最近、庭の手入れに精を出している。雨でない限り、だいたい毎日、庭に出ている。
 ゴールデンウイークには、野菜を植えた。この家に引っ越してきてから、何度かトライしたが、今までうまくいったことがない。今回は、かなり本気で準備をした。土を作り、耕し、支柱を立てた。
 植えた野菜は、トマト、きゅうり、ゴーヤ、ナス、ピーマン、シシトウの6種類である。各2株ずつ植えた。
 先ほど覗いたら、今のところみな元気だ。今年の夏は野菜三昧の日々を過ごしたい。
 

イノシシとADHD


 最近、フクちゃんと大ちゃんの追いかけっこがダイナミックだ。二匹とも4歳とすっかり大人になって、体力を持て余しているようだ。
 運動神経の悪い大ちゃんさえ、横っ飛びでフェイントをかまし、フクちゃんに襲い掛かったりしている。

 昨日のニューヨークタイムスに載っていた記事。アメリカではイノシシの野生化が問題になっているそうだ。イノシシは北米大陸には本来いなかった。ところが飼育していた豚が逃げ、野生化した。あるいはハンティング用に柵で囲んだエリアで放牧していたイノシシが脱走した。それらが猛烈に、数を増やしている。
 ロシアン・ワイルド・ボアという種類は300キロにもなるという。中には400キロを超えたものも仕留められている。
 イノシシの何が問題かというと、畑を荒らし、ニワトリなどの畜産動物を襲うからだ。日本のイノシシと同じだ。イノシシは雑食でかつ大食漢である。
 その記事はイノシシがメインの話題だったが、鯉の被害も触れてあった。鯉もアメリカでは外来種である。
 日本ではブラックバスやブルーギルが在来種を根こそぎ食い荒らしているのが問題になっているが、むこうは反対のようだ。何でも鯉はブラックバスよりも強くて、淡水魚中最強ということだ。
 うちの近くの池にはブラックバスがいる。釣り師が放して、それが定着したのだ。水面を素早く泳ぐ小さな影は無数に見える。大きな奴もいる。5~60センチはあるだろう。そいつらは泰然自若とじっとしている。その横では、大きな鯉が悠然と泳いでいる。こちらはさらに巨大だ。1メートル近くのものもいる。
 成魚どうしは喰いあわないようだが、卵や稚魚はお互いの餌になる。日本の鯉も、負けてはいない。

 もう一件、昨日のニューヨークタイムスから。ADHDという言葉を最近たまに耳にする。日本語では「注意欠陥多動性障害」というらしい。
 この障害と睡眠には因果関係があるようだ。大人になってからADHDを発症する人がいる。その人は睡眠障害であることが多いのだそうだ。
 子供の場合はより影響が大きい。乳幼児の期間に睡眠に問題がある子は、非常に高い割合で、その後にADHDになるそうだ。
 乳幼児の間に睡眠障害とは、ちょっと不思議である。おそらく環境に問題があるケースが多いのだろう。
 子供は静かに寝かせてあげなくてはならない。その環境を作るのは親の義務である。
 当然、親の責任とは関係なくてADHDを罹患する子もいるだろう。だからADHDの子を見て、親を非難してはいけない。しかし子供の睡眠を確保できない親は、これは非難されてしかりだと思う。
 居酒屋に乳幼児を連れてくることなど、問題外だ。親が子供を守らないのならば、国が守るしかない。法規制も検討すべし。
 

プロフィール

山本 拓也

Author:山本 拓也
職業:翻訳者
過去の職歴:HSBCを経て産経新聞社
家族:妻、フクちゃん(猫オス 3歳)、大吉くん(猫オス 2歳)
住まい:逗子

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