スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

101歳の犬


 図書館からの帰り。いつもの路地を歩いていると二人の女の子がいた。小さい方の子はスケボーのようなものに乗っていた。スケボーのような、というのは車輪がふたつしかついていないからだ。スケボーはタイヤが4つあるはずだ。
 そのふたつの車輪は、前後一列についている。だからとても安定が悪い。それを蛇のように、くねくねさせながら前に進む。ちなみに女の子は4つぐらいである。とても小さい。でもちゃんとくねくねと乗っている。
 可愛いのでしばらく見ていたら、お姉ちゃんの方が小犬を連れてやってきた。僕を見て、「こんにちはー」と挨拶をしてくれた。それから会話が始まった。

「その犬、かわいいね。名前はなんていうの?」
「○○(聞いたのだが、忘れてしまった)」
「ふーん、それでいくつなの」
「101歳」
「え?」
(ああ、“101匹わんちゃん”のタイトルから洒落て言っているのだなと、そのときは解釈した)
「そう、101歳だよ。」
「へえ、すごいね」
「ほんとだもん」
(僕の信じていない表情に気付き、不満げに言った)
「・・・」
「だっておばあちゃんが去年、この犬は17歳だけど人間だったら100歳って言ってたよ」
「ああ、そうか」(ここでようやく、納得)
「去年100歳だから、今年は101歳になったんだよ」
「そうだね」

 といった会話だった。その間、妹の方はずっとくねくねをしていた。僕らの会話にはまったく無関心であった。
 お姉ちゃんの歳を聞くと2年生だそうだ。2年生の意識と言うのは、そういうものなのだ。子供のいない僕にはまったく未知の世界である。
 姉妹と別れてから、坂道をぐんぐん上り、山の上の我が家に帰った。その間ずっと、101歳のことについて考えていた。

コメント

Secret

プロフィール

山本 拓也

Author:山本 拓也
職業:翻訳者
過去の職歴:HSBCを経て産経新聞社
家族:妻、フクちゃん(猫オス 3歳)、大吉くん(猫オス 2歳)
住まい:逗子

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。