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伊勢詣で


 伊勢神宮に詣でてきた。伊勢は初めてのお参りである。
 定石通りというか、ネット情報によると、正しい参拝の順序ということで、外宮から詣でた。伊勢は内宮と外宮がある。内宮は天照大神を、外宮は豊受大神を祀っている。豊受大神は食物・穀物を司る女神で、天照の衣食を賄う神様のようだ。「衣食足りて礼節を知る」という。日々の衣食の維持に必死な我が家には、もってこいの神様である。
 その外宮は一歩足を踏み入れて、異界の空気が漂っていた。嫌な気配が皆無なのだ。空気が美味しいどころか、香気に満ちている。
 後から考えて、納得がいったが、最初の印象は驚きだった。こんなに嫌な気がしない場というものがあることに対する驚きだ。
 で、納得がいった理由とは、式年遷宮である。去年から始まった式年遷宮のため、お社が真新しい。伊勢はご存じのとおり、無垢の木を使っているので、素材の檜から爽やかな香りが辺り一杯に放たれているのだ。そして森である。太古から守られてきた鎮守の森には、大木が生い茂っている。そこかしこに、普通の神社ならご神木としてしめ縄が巻かれるだろうサイズの木が、立ちそびえている。似た風景に出会ったことがあると思い至ったが、それは屋久島だ。伊勢の外宮は屋久島のように、清涼な空気が満ち満ちていた。
 続いて向かったのは本家本元の内宮だ。こちらは参拝客でにぎわい、また違う雰囲気を醸し出していた。ここは外人の参拝客も少なくなかったが、この雰囲気に何を思っただろうか。
 神社はどこもそうだが、何もない。神社にあるのは鳥居と本殿のみだ。そして御神体である鏡や玉は、奥深くにしまわれていて、あまり見ることができない。
 神社とは、空間である。何もないのが神社なのだ。
 対してお寺は混沌だ。山門、庫裏、拝殿、本殿、宝物殿などの建物が並び、仏像の種類は無数だ。釈迦はもちろん、さまざまな仏さんや菩薩はおられるし、インドや中国、日本の神話由来の神様や魔物が大仰なポーズで、我々を迎える。きっと外国人の観光客には、こちらの方が、受けがよいだろう。
 それに対し神社は、繰り返すが、空間である。
 伊勢の内宮は、五十鈴川があるし、参道は湾曲している。森は深いし、池もある。お社も複数あるので、僕の意見に同意できない人もいるかもしれない。それでも僕の感想は空間だった。
 神道には経典がない。教義もない。神主は修行もしない。日々のお勤めは、空間を清涼に保つことだ。掃き清めること、つまり掃除こそが、神道の要なのだ。内宮は、その手本のような場所だった。

 しかし内宮は一歩、外に出るとアジア的な騒々しさに満ちていた。江戸以前からの伊勢詣でを迎える商店は、今も賑やかである。
 内宮のすぐ外にあるおかげ横丁の「ふくすけ」という店で、伊勢うどんを食べた。あんまり美味しくないという評判を聞いたことがあったが、それがどうして、うまかった。さぬきの対極に位置するふわっとした柔らかさは、他では食べたことがない歯触りであり、個性であった。

 その夜は鳥羽で一泊し、翌日は鳥羽水族館やミキモトの真珠島を見た。鳥羽水族館は、あんまり楽しくて、時間をつい忘れて見入ってしまった。真珠島では、以前から知りたかった真珠の作り方や種類を詳しく知ることができた。
 一泊二日の旅だったが、夏休みを堪能することができた。
 

コメント

Secret

ブログ復活、楽しみにしてました。
伊勢神宮のシンプルな空間のもたらす神性、異国のかたにはなかなか理解されないでしょうね~
                          

Re: タイトルなし

ずっしーさん

コメントありがとうございます。ちょっとブログはさぼっておりました。
書くことがなくなってきたのが理由です。最近、あまり外にも出ず、書きたい出来事がありませんでした。しかしありきたりの日常ですが、これからも書いていこうと思っています。
プロフィール

山本 拓也

Author:山本 拓也
職業:翻訳者
過去の職歴:HSBCを経て産経新聞社
家族:妻、フクちゃん(猫オス 3歳)、大吉くん(猫オス 2歳)
住まい:逗子

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